〈Lexicon〉は顧客であるロボットプログラムが理解できる形にニュースを取りまとめる。ダウ・ジョーンズのすべての記事をリアルタイムでスキャン し、ある株に対する投資家の思惑を予測できる手がかりを探す。そしてその情報をコンピューターが読み取れる形にしてアルゴリズムの購読者に配信するのだ。 アルゴリズムはそれをより深く分析することができ、得られたデータをもとに投資の決断を下す。〈Lexicon〉はニュースを読み、市況を見通し、その情 報をもとに株を売買するという一連のプロセスの自動化を促進する。コンピューターはもはや計算するだけではない。決定を下すようになったのだ。
金融システム全体が次第にそうなってきている。アルゴリズム取引が産業界を席巻したのは10年以上前のこと。いまや新進ヘッジファンドの1台だけの机から ゴールドマン・サックスの金ピカのホールまで、ウォール街で行われる取引のほとんどをコンピューターコードが行っている(コンピューターを使った超高速取 引は全取引の約7割に上ると推定されている)。市場の浮き沈みを決めるのは、最良の情報を、あるいは抜け目のないビジネスマインドを競い合うトレーダーた ちではなく、潜在的な利益の微かなシグナルを感知するために延々とデータを読み込み続けるアルゴリズムになりつつある。




